乳がんの備え方

  • 乳がんの備え方
  • 乳房手術をされた方へ
すべての女性に知っておいて欲しい 乳がんの備え方 ~簡単セルフチェックも掲載!~

がんは歳をとったらかかるものだと思っていませんか?
たしかに、がんは60代以降から罹患率が上がると言われていますが、乳がんの場合は30代から罹患率が上がり始めます。

まだ若いから大丈夫ではなく、早めにがんについて知っておくことで、早期発見・早期治療にもつながります。

今からでもできる、乳がんのセルフチェックや乳がんになったときの備え方を、わかりやすく解説します。

乳がんの基礎知識〜乳がんはどうしてなるの?〜

そもそもなぜがんになるのか・乳がんになったときどんな症状が出るのか・予防方法など、乳がんの専門医である南雲 吉則先生に世界一わかりやすく解説していただきました。

選択すると内容をお読みいただけます。

  • がんの三大原因はタバコ・感染症・食生活

    がんの三大原因は、タバコ・感染症・食生活です。
    生活習慣を改善しないかぎりがんはなくなりませんし、いくら治療しても再発するのです。
    早期発見・早期治療だけではがん患者さんの数は減らない。がんを予防することが大切なのです。

    <タバコ>
    タバコの煙には多くの有害成分が含まれています。その煙で傷ついた粘膜にがんが生じます。
    咽頭・喉頭がん(のどのがん)の90%、肺がんの75%、食道がんの50%、胃がんの25%はタバコをやめればなくなります。電子タバコや加熱式タバコにしても、その危険性はなくなりません。
    煙を吸ってのどや肺のがんになるのはわかりますが、煙を飲み込んでいるわけではないのでどうして食道や胃のがんになるのでしょう。それはタバコを吸いながらお酒を飲んだりつまみを食べたりするからです。タバコの有毒物質が胃腸まで流れ込んで、がんを起こすのです。

    <感染症>
    子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)、肝臓がんはB型・C型肝炎ウイルス、胃がんはピロリ菌といった感染症によって生じます。感染による炎症は周囲の細胞分裂を盛んにして、がんを誘発します。

    <食生活>
    精製した糖質や悪い油は体を傷つけます。傷ついた体を修復するために、細胞の構成成分であるコレステロールがつくられます。コレステロールは性ホルモンにも変化しますので、性ホルモンで成長する女性の乳がん・子宮体がん・卵巣がん、男性の前立腺がんを増加させます。
    また、脂肪を消化するための胆汁酸の増加は大腸がんを増加させます。

  • 乳がんは女性ホルモンを栄養として発育する

    タバコを吸った人が咽頭がんや肺がんに、ウイルスや細菌に感染した人が子宮頸がんや胃がんになるのはわかりましたか?でも「私は太ってもいないし暴飲暴食もしない。むしろ身体には人一倍気をつけているのにどうして乳がんになったのでしょうか」と腑に落ちない人もいるでしょう。
    乳がんの発症には三大原因以外に「女性ホルモン」の影響が大きいのです。
    乳房は女性ホルモンで発育しますので、乳がんも女性ホルモンで発育します。

    昔の女性は栄養状態が悪かったので初潮が遅く閉経が早く、しかも早婚で多産でした。
    妊娠・授乳中は月経がなく、女性ホルモンの分泌が減少するため、乳がんになる人が少なかったのです。
    しかし、最近の女性は初潮が早く閉経が遅く、未婚・晩婚・少子化で、長い間月経が規則正しくあるので乳がんが多くなったのです。

  • 閉経後に乳がんになる原因はコレステロール値が高くなったときとストレス

    日本の乳がんの好発年齢は40・50代。閉経後は女性ホルモンがなくなるので乳がんになりにくくなります。ところが、欧米では閉経後の乳がんが増えています。なんと日本人の5倍。男性の前立腺がんも5倍です。なぜでしょう。
    人種の問題ではなく、アメリカに住んでいれば白人でも黒人でも黄色人種でもみんな乳がんになりやすくなるのです。その原因とは「生活習慣」です。

    閉経後、卵巣から女性ホルモンにかわって、副腎(腎臓の上にくっついている小さな組織)からアンドロゲンという男性ホルモンが出ます。
    先ほど地球上の生き物の中で人類だけが生殖年齢終了後も長生きする、その理由は子育てのためだといいました。子育てのためには授乳機能の維持が必要です。

    しかし、閉経後は女性ホルモンがなくなって乳房はしぼみます。そこで、乳腺の中には「アロマダーゼアロマターゼ」という転換酵素ができて、副腎から出たアンドロゲンをエストロゲンという女性ホルモンに転換し、乳房の大きさを維持したのです。
    皮肉なことに、女性ホルモンは乳がんにとっても栄養となります。アンドロゲンが多く分泌される環境では、閉経後の乳がんが増えているのです。

    ではどんな環境でアンドロゲンの分泌量が増えるのでしょうか。
    1つにはアンドロゲンの材料となる血中のコレステロール値が高くなったときです。
    コレステロールは細胞や血管やホルモンをつくる大切な栄養素です。そのためコレステロールを多く含む肉や乳製品を控えても、その量は常に一定になるように調節されています。血中のコレステロール値が高くなるのは生活習慣によって身体の細胞が傷ついているとき、それを修復するために肝臓はコレステロールを産生します。精製した糖質や悪い油喫煙や飲酒、肥満や夜更かしや運動不足は血管や細胞を傷つけます。傷ついた血管や細胞を修復するためにコレステロール値が高くなるのです。

    2つ目にはストレスです。ご主人の看病や、ご両親の介護は大変なストレスです。ストレスと闘うために「闘争ホルモン」であるアンドロゲンが大量に分泌されます。アンドロゲンは転換酵素のアロマターゼによってエストロゲンに転換されるのです。看病や介護が一段落してふと胸に手をやったときにしこりに気づくのです。

  • 乳がんは唯一自己検診ができるがん
    がんを見逃したくないと思うなら自己検診をすることです。
    • ■ 月に1回生理が始まった5日目に、生理のない人は毎月月初めと決めて行います。
    • ■ まず鏡の前で手を挙げたり腰に当てたりして皮膚や乳頭のひきつれ、くぼみがないかチェックします。
    • ■ 次にそろえた指の腹で対側乳房を、外側から乳首にかけてグルグルとらせんを描くようになで、しこりがないか調べます。
    • ■ 両方の乳房をよく調べたら、最後に乳頭を軽く絞って出血がないかチェックします。
      (→イラストで解説!セルフチェック方法

    もっと簡単な方法があります。
    お風呂に入ったときタオルやスポンジで洗わずに、手のひらで全身をなで洗いするのです。毎日、なで洗いをしていると変化があれば気づいて、胸や脇の下にしこりを見つけることもできます。これが乳がん検診になるのです。
    しこりがあったときは乳腺専門医のところに行って精密検査を受けてください。

    また、手のひら全体でなで洗いをすることで乳がんの自己検診ができるだけではなく、肌の若返りの一挙両得ができます。
    どういうことかというと、肌の若返りに大事な要素として、摩擦をさけることと保湿をしっかりすることです。
    肌や粘膜のみずみずしさをつかさどっているのは女性ホルモンで、閉経を迎えて女性ホルモンがほとんど分泌されなくなると、皮膚や粘膜が乾燥します。
    私たちの肌は「皮膚」「角質」、そして「善玉菌」で守られています。それをナイロンタオルなどでごしごし洗えば保護膜がなくなるので、冬場なら寝る前にかゆくなって、かくと白く粉を吹いたようになります。これを「乾燥性皮膚炎」といいます。
    ナイロンタオルは垢がよく出るのですが、長い間使っているうちに背中がざらざらになって毛穴が黒ずみます。人の肌はこすればこするほど身を守るために角質を厚くするのです。これを「黒皮症」といいます。

    肌を乾燥から守るには保湿が肝心です。保湿にいちばんいい脂は自分の脂、つまり合成洗剤やナイロンタオルを使わずに手の平でなで洗いするのがいちばんなのです。

  • 全摘が勧められる5つの要因

    理屈上は乳房温存療法が第一選択といわれていますが、以下の場合には全摘が勧められています。

    • ● 乳房の大きさにくらべてがんが大きいとき
    • ● 多発のがん
    • ● マンモグラフィで広範囲な石灰化を示す乳がん
    • ● 外科生検や乳房温存術をしてどの切り口にもがんがあったとき(断端陽性という)
    • ● 乳房下半のがん

    これらは小さく取るとがんを取り残し、大きく取ると変形して、取り切れても局所再発率が高く、術後は放射線をかけるため再建が難しいのです。乳房温存療法はきれいに治ることが前提です。変形が起きそうなときやがんが取り残されそうなときは全摘となるのです。

  • 小さな傷から乳腺が取れる「皮下乳腺全摘術」

    これまでの乳がん手術は温存術か全摘術の二者択一でした。そのため温存したくても、だめなら全摘をするしかありませんでした。
    皮膚、皮下脂肪、筋肉の一部を移植する自家組織移植。皮膚の不足を植皮しないで補う方法である組織拡張法。これらの方法は乳頭・乳輪も再建しなければならないため、傷が大きいためにどんなに美容的に再建を施しても、乳がんの手術をしたことがばれてしまいます。

    近年、皮下乳腺全摘術乳頭温存乳腺全摘術ともいう)が生まれました。この方法は、小さな傷から乳腺を全部取る方法で、同時にシリコンできれいに再建することも可能です。根治性は全摘と変わらないので寿命は同じです。 

    がんの真上の皮膚や乳頭・乳輪を残すために局所再発しやすいのではと心配されます。しかし、皮下乳腺全摘術の局所再発率は全摘と変わりません。もちろん、乳房温存術と同様に術後の病理結果で断端陽性(切り口に乳がんがある)とされた場合、および将来局所再発した場合は追加切除が必要です。

  • 社会復帰するためにやっておきたい8つのこと

    入院期間が長ければ社会復帰にはその倍の時間がかかります。可能であるなら退院して家に帰り、あせらず恐れず一歩ずつ社会復帰していきましょう。たとえば、家に帰ったら次のようなことをします。

    • ● 禁煙を継続しよう
      禁煙はがんの罹患率や術後の合併症を減少させることが明らかになっています。これまで酷使してきたあなたの身体をいたわる意味でも術後も禁煙を続行しましょう。タバコをやめたその日から心筋梗塞、脳卒中、がんになる確率は減少し始めます。
    • ● 帰った日はのんびりしよう
      のんびりする必要があるとはいえ、布団に寝てしまっては起きるのが一苦労です。ソファでゴロゴロしながらトイレや飲水にこまめに動きましょう。
    • ● 入浴しよう
      わが国では抜糸が終わるまで入浴させないことが多いのですが、実はドレーンが抜けたらその翌日からシャワーが可能です。傷口から滲出液が出なくなったら肩まで入浴しましょう。
    • ● 身の回りのことを自分でしよう
      日常生活に戻るための機能訓練をリハビリといいます。運動機能に関する後遣症がないかぎり、病院でリハビリを受ける必要はありません。自分の身の回りのことを自分でする、それがリハビリです。
    • ● 外に出てみよう
      今までなんでもなかったことがとてもおっくうになったり不安に感じたりします。不安なときは家族や友人につきそってもらって外出してみましょう。
    • ● 仕事に復帰しよう
      もしあなたが仕事に生きがいを感じるならば、周囲の人に協力を求めながら仕事に復帰しましょう。長期の休職は職場復帰を困難にします。通院ができるようになったら、職場に1度顔を出しましょう。
    • ● スポーツや旅行を楽しもう
      自分の身の回りもできないのに、いきなりスポーツや旅行をすることはできません。しかし、主治医の許可が出たら恐れずにトライしてみましょう。きっと気分転換になるはずです。
    • ● 夫や恋人との愛を深めよう
      出産や病気を機に夫との性生活は疎遠になります。あなたがふれられても痛くなくなったら、きっかけをつくってあげてください。
  • 乳がん術後はブラジャーにこだわって欲しい

    乳がん手術を受けると、手術直後から数年後まで時期に応じて状況が変化します。そんなときブラジャー選びにこだわっていただければ快適な経過を過ごすことができるでしょう。

    • 1. 傷口からの滲出液:手術直後は傷口から滲出液がでます。ガーゼを当てても絆創膏かぶれを起こしますし、包帯を巻いてもずれてしまいますので、吸水性が良く肌に優しい素材のブラを包帯代わりに使えば便利です。
    • 2. 傷の痛み:術前に使っていたブラをつけることはお勧めしません。術後の乳房は寄せて上げることはできませんし、ベルトやワイヤーが食い込むことがあります。ワイヤレスでベルトやカップがゆるめの物をお勧めします。
    • 3. 手の運動障害:手術直後は痛みや腫れのために手が上がらず、かぶりタイプのキャミソールは着脱が困難です。また手が背中に回らないためにブラのホックを留めにくいことがあります。そんなときはフロントホックのブラが便利でしょう。
    • 4. 欠損や変形:乳房全摘ではバストのふくらみはなくなって平らになってしまいます。乳房温存療法ならふくらみは残りますが、取った部分にへこみが生じます。乳房の下半分の場合はえぐれてしまいます。修正用のパッドを挿入できるものが必要です。
    • 5. 知覚過敏:乳腺を取ると同時に神経も傷付いて皮膚や乳頭の感覚が鈍くなります。しかし術後数ヶ月から数年経つと神経が回復してきたときに傷の周囲がピリピリ、チクチクとしてきます。これは「回復徴候」といって神経が回復するときの症状です。衣服がすれても痛いことがあるので、肌に優しくナイロンレースが直接肌にあたらないものが良いでしょう。

    乳がん手術を初めて経験したあなたは、さまざまな症状に不安を感じるでしょう。そんなときには主治医や看護師さん、そして乳がん体験者に質問するとともに、今のあなたに会ったブラジャー選びを心がけましょう。

  • カタカナばかりでわかりにくい「がんの分類」

    「乳がん検診を受けたらしこりがあって、注射器で細胞を取ったところ『ステージ5』といわれました。これは末期なのでしょうか」
    という質問を受けましたが、ステージとはがんの進行度「病期」のことで、1から4までしかありませんので、たぶん、細胞診の悪性度分類で「クラス5」だったということでしょう。

    乳がんの診断ではカタカナの分類を多く使いますので、患者さんは非常に混乱します。ここで整理しましょう。

    ステージ(病期) 手術前にがんの大きさとリンパ節の硬さを手でふれて4段階に分類する。
    ステージ1(Ⅰ期):がんが2㎝以下でリンパ節も硬い状態
    ステージ2(Ⅱ期):がんが2~5㎝、またはリンパ節が数個硬い状態
    ステージ3(Ⅲ期):がんが5㎝を超える、またはリンパ節がたくさん硬い状態
    ステージ4(Ⅳ期):肺や肝臓に転移がある状態
    クラス 細い針で採った細胞の顔つきを5段階に分類。
    クラス1・2は良性
    クラス3は灰色
    クラス4・5は悪性(がん)
    カテゴリー マンモグラフィ(乳房をはさんで撮るレントゲン)でも5段階に分類する。
    カテゴリー1:正常
    カテゴリー2:良性
    カテゴリー3:良性だが要注意
    カテゴリー4:がんの疑い
    カテゴリー5:がん
    グレード がん組織を顕微鏡で見て顔つきを1から3までに分類する。
    グレード1:細胞の顔つきも全体のおとなしい
    グレード2:中等度
    グレード3:顔つきも悪くでたらめに並んでいる
  • 非浸潤がん状態でも全摘するの?

    乳房の非浸潤がんは0期のがんです。浸潤、転移もしないため100%命にかかわらないといわれています。
    ごく早期の非浸潤がんと診断されたのに全摘といわれては納得できませんよね。しかし、非浸潤がんはしこりを作らないかわりに乳管の中をアリの巣のように広がっているのです。

    そのため、小さく取る乳房温存術では45%に取り残しがあり、将来の局所再発率は最高で60%、放射線をかけても20%と、乳房全摘術の3~6%未満より高率です。しかも、局所再発の約50%は浸潤がんで、今度は命にかかわります。

    きちんと取れば100%命は助かるのですから、きちんと取ってきれいに治しましょう。小さな傷から乳頭・乳輪を残して乳腺を全部取り、同時にシリコンできれい再建する皮下乳腺全摘・同時再建をお勧めします。

  • 術後にあらわれる微熱やけだるさの対処法

    術後、微熱やけだるさに悩まれる方がいます。微熱の定義として、37.6度以上あることになっています。もし、65歳未満の方で平熱が36度に達していない場合、測り方が悪い可能性があります。
    微熱や身体のだるさの原因は4つあり、それぞれの対処法をお伝えします。

    インプラントの感染 インプラントによる乳房再建を行った場合で、感染症にかかっている可能性があるタイプです。
    もし38.5度以上の熱があるときは風邪だと決めつけず、外科医にすぐ報告し迅速な対応が必要です。
    祭りのあとの寂しさ症候群 体内の幸せ物質「セロトニン」は常に一定量しか用意されておらず、セロトニンが使い果たされ軽いうつになっている状態です。
    頑張りすぎずに、ゆっくり療養しましょう。
    慢性疲労症候群 神経・免疫・内分泌システムの異常の可能性があります。
    自律神経を整えるために規則正しい生活を心がけましょう。早寝早起き、間食を止める、有酸素運動など、日常生活を続けることで回復していきます。
    うつ病 精神科医や心療内科の助けを求めなければなりません。1人で引きこもっていると悪循環です。家族や友達に相談して、病院に連れていってもらいましょう。
  • しばらくしてのピリピリとした痛みや腫れは回復徴候

    正座をしているときは何も感じないのに、足を延ばすとピリピリと過敏になりませんか?これを回復徴候といいます。乳がん手術で乳腺やリンパ節を取ると、その中を走っている神経も傷つきます。直後は麻痺を起こしているのであまり痛みを感じないのです。

    しかし、術後数か月すると神経の切り口から新しい神経がどんどんと生えます。このとき神経はむき出しの状態で生えてくるため、ちょっとでも接触するとピリピリします。これは痛みではなく過敏になっているのです。また、術後に痛みと感じると「がんが再発したのではないか」「手術の失敗ではないか」と不安になります。

    そのため、術後しばらくして傷の炎症がないのに痛みを感じるときは、あなたの脳に向かって
    「これは痛みではない、回復徴候なんだ」
    といい聞かせてあげてください。何度も自分の頭に言い聞かせるほかないのです。
    そのうち頭が「ああ回復徴候だったのか」と理解すれば、痛みと感じなくなり、安心することができます。

    同様に二の腕の内側から肩甲骨の外側にかけて腫れぼったさや痛みを感じる場合もあります。しかしこれも同様、神経の麻痺症状であるため心配ありません。

  • 4つの自立を克服しよう

    4つの自立とは、自分で歩く自立歩行自分で排便する自立排便自分で食事をする自立摂食、痛み止めの必要がなくなる痛みからの自立を指します。手術直後はどこの病院でも点滴をし、おしっこの管を入れ、傷にはドレーンという滲出液を抜く管が入っているため絶対安静です。しかし、実は翌日になれば4つの自立をすることは可能なのです。

    確かにリンパ節を取るとリンパ液が止まらなくなるため、ドレーンがなかなか抜けないこともあります。しかし、最近はセンチネルリンパ節生検の活躍により、ドレーンは翌日には抜けるようになりました。

    アメリカでは乳がん手術の80%が日帰りで行われています。日本における乳がんの平均入院日数は2週間弱なので、信じられない方も多いと思いますが、実は先進国ではデイサージャリー(day surgery)と呼ばれ、長い歴史があるのです。デイサージャリーは日帰り手術と翻訳されていますが、定義は「23時間以内の退院」をさすので、正確には「日帰り・一泊手術」となります。

    アメリカで入院期間が短い最大の理由は「院内感染の予防」です。
    病気を治すために入院をしているのに、院内感染によって治療期間が延びてしまっては元も子もありません。
    そもそも、なぜ院内感染が起きるのかというと、病院は病人のいる場所であるため、長期入院することは病気をもらうようなものです。なので、なるべく入院日数を減らすことが院内感染リスクを減らす最適な方法なのです。
    そのほかにも長期入院は患者さんに「肉体的」、「精神的」、「時間的」、「経済的」負担を与えます。

    肉体的負担 合併症が増加します。院内感染は肺炎のウイルスのこともあります。また、長期間の寝たきりは肺炎心不全、運動機能の低下、認知症の原因となります。
    精神的負担 あなたは夫や子ども、そして会社やペットにとってなくてはならない人です。長期入院することは彼らにとって大きな負担となります。そのことがあなたにも精神的負担となります。
    時間的負担 本来、医療は早期社会復掃を目的としているはずなのに、入院が長引くほど社会復帰が困難になります。
    経済的負担 入院費を含む医療費用の負担が増加します。また仕事を休んだり辞めたりしたことの経済的負担はかなりのものです。
  • リンパ浮腫にならないための予防法

    そもそもリンパ浮腫というのは、私たちの体にある細菌感染を防ぐ「リンパ液」が何らかの原因でさえぎられ、たまることによって生じるむくみのことを指します。
    では、どうすればこのリンパ浮腫を予防できるのでしょうか?それはあなた自身の術後の生活が直接かかわってくるのです。

    • ● 傷つけない
      手術をしたほうの腕にケガ、虫剌され、ペットによる引っかき傷、やけど、かぶれをしないよう気をつけてください。汚れたものをさわるときや土いじりをするときは使い捨てのゴム手袋をしてください。
    • ● 注射をしない
      腫れのある腕で血圧を測ったり、その腕に注射針を刺したりしないでください。点滴、抗がん剤注射はもちろんのこと、予防接種、血液採取、鍼を避けてください。
    • ● 化膿させない
      皮膚が傷ついたときは、すぐに洗浄して抗生物質を服用し傷を治療してください。もし皮膚が化膿したときは速やかに受診する必要があり出す。感染を繰り返す場合、抗生物質の予防的使用が効果的です。いつも抗生物質を携行してください。
    • ● 締めつけない
      治療した側の腕では、腕時計や指輪は緩いものを着用しましょう。また、重いカバンやハンドバッグを腕にかけないようにしてください。
    • ● あたためすぎない
      サウナ、スチームバスの使用、および浴槽につかるときは注意してください。熱はリンパ浮腫を悪化させます。暑い環境にさらされることにも注意してください。
    • ● 太りすぎない
      理想体重を維持してください。太りすぎはリンパ浮腫の発症をもたらすことがあり、圧迫スリーブ(リンパ浮腫用サポーター)や空気圧迫ポンプの効果を低くすることがあります。
    • ● 腕を動かす
      腕を動かす運動はリンパ浮腫の管理に役立つことがあります。激しい運動は避けるべきであるという医師もいますが、科学的根拠はありません。一部の専門家は、運動時に圧迫スリーブを着用するように推奨しています。

    またリンパ浮腫診療ガイドラインでは、症状のレベルによって次の4段階に分類されています。自身の症状がどれに値するかチェックしましょう。

    0期 浮腫が明らかでないとき。
    Ⅰ期 指で押すとへこみが残る。初期であるため、手足を上げることにより治療可能。
    Ⅱ期 手足を上げても改善しない。指で押すとへこみがはっきりする。
    Ⅱ期 後期 指で押してもへこまなくなる。
    Ⅲ期 リンパ浮腫に加えてイボや角質化などの皮膚の変化が見られる。

    リンパ浮腫の原因として、以下のようなものが考えられます。

    • ● リンパ節郭清
      リンパ節は脇の下から鎖骨の下にかけて連なっており、外側からレベル1、2、3と呼ばれています。すべてのリンパ節を取ってしまうと浮腫をきたしやすくなりますので、通常はレベル1と2を郭清します。リンパ浮腫になる確率は6%です。
    • ● 放射線照射
      乳房に対する放射線が脇の下にかかるとリンパ液の流れが悪くなり、4%の確率でリンパ浮腫になります。
    • ● リンパ節転移
      残ったリンパ節にがんの再発が起きたときもリンパ液の流れが妨げられます。
    • ● 感染症
      リンパ液の流れが悪いと細菌感染しやすくなりますが、感染症によって浮腫はますます悪化します。

    手術のあとは皮膚の感覚がしびれているので、腫れているような感覚があります。本当に腫れているかを調べるためには、巻き尺で両手の太さを測ります。
    測る場所は、中指の関節、手首、ひじから10cm手首寄りと15cm肩寄りの4点です。いずれかの点でも2cm以上の差がある場合、医師に相談してください。リンパ浮腫の治療が必要だといえるでしょう。

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  • 集団検診はがんを見つけることが目的

    「毎年検診を受けて異常がないといわれてきたのに、今年になって1cmの乳がんですといわれました。がんはそんなに急に大きくなるものでしょうか、または見落としでしょうか」というような質問をよく受けます。

    細胞は倍々に増え、10回細胞分裂すると直径が10倍になります。1個のがん細胞が発見可能な1cmの大きさになるためには、30回の分裂が必要です。
    つまり、去年の時点では小さすぎて見つからなかった。としても、今年検査を受けなければ、かなり大きくなっていたかもしれない、ということです。

    もう1つは、受けた検診の種類です。がん検診には集団検診と精密検査があります。
    集団検診の目的はがんの疑いがある人を見つけることなので、少しでもがんの可能性のある人を何十人もピックアップします。そのためが、ほとんどの人はがんではありません。
    集団検診に対して精密検査の目的はがんの診断確定をすることです。がんの診断確定するためには、針を刺して組織を取って調べます。
    もし集団検診の見落としを少なくしようと思えば、実際はがんでない人たちを片っ端から容疑者扱いして、針を刺して組織を調べる必要があります。そこでがんの可能性が低い場合は次回の検診チェックするのです。

  • 3つの要素でがんの状態を分類する「病期(ステージ)」

    乳がんと確定診断されたら、主治医はまず乳がんの大きさ・腋窩リンパ節転移や遠隔転移がないかを調べます。
    この3つの要素によってがんの状態を分類するのが「病期」です。

    0期 非浸潤がん。
    がんは乳首の上皮の中にとどまり、周囲の組織に浸潤しないため、はっきりとしたしこりを形成していない。
    ほかの臓器に転移することもないため、命にかかわることはない。
    がんと呼ぶよりも「前がん状態」と呼ぶべきである。
    Ⅰ期 早期乳がん。
    しこりが2㎝以下で、脇の下のリンパ節に転移していない場合。
    Ⅱ期 やや進行した乳がん。
    しこりが小さくても脇の下のリンパ節に転移していない場合。
    Ⅲ期 局所進行がん。
    しこりが大きく(5㎝以上)、脇の下のリンパ節にも転移している場合。
    または、脇の下のリンパ節にも転移している場合。
    または脇の下のリンパ節にたくさん転移していることが明らかな場合。
    Ⅳ期 遠隔転移乳がん。
    がんは骨・肺・肝臓・脳などのほかの臓器まで広がっている場合。

    「術前には早期乳がんといわれ安心していたのに、術後の病理結果で進行がんといわれました。どちらを信じたらいいのでしょうか」という質問を受けます。
    術前の病期判定より、術後の病理診断が正しいのです。
    術前にわかっているのは乳がんの大きさ、脇の下のリンパ節の転移の有無、遠隔転移の有無だけです。

    たまたまこの3つの因子は乳がんの予後(病気の経過のこと)にももっとも大きな影響を与えるために、これらを中心に病期を決定することになりましたが、実際はかなりいいかげんなものです。
    たとえば乳がんの大きさは、測る人によって誤差が生じます。しこりの大きさを2㎝とするか2.1cmとするかで病期が異なります。また、術前に大きいと判断したがんを術後病理検査で実際に測ってみたら小さいことや、その逆はよくあります。

    次に腋窩リンパ節転移。術前に手でふれて判断しますが、実際に手術でリンパ節を取ってみないと正確なことはわからないのです。術前の診察で腋窩リンパ節転移があるといわれた患者さんの27%には転移がなく、転移がないといわれた患者さんの39%には転移があったと報告されています。

    なぜそんないいかげんな病期分類を行うのか。
    乳がんと宣告された人の多くが「私のがんは治るのか?」「私はあとどれくらい生きられるの?」といった予後、つまり自分の未来を知ろうとします。そこで術前の乏しい情報をもとに病期判定しているのです。
    ですから術前の病期で一喜一憂せずに、あくまで参考程度にとらえ、術後の病理結果による総合判定を冷静に待ちましょう。

  • 治療方針を決める指標「細胞診」と「組織診」

    私たちの身体もさまざまな臓器でできていて、乳房も臓器の一つです。
    臓器は組織によってできていて、乳房の場合は皮膚・皮下脂肪・乳腺などによってできています。乳腺の場合は、母乳をつくる小葉と、それを乳首まで運ぶ乳管に分かれます。

    それぞれの組織はそれぞれの細胞によってできています。
    細胞を取って調べるのが細胞診です。細胞の顔つきを見れば、その細胞が悪性か良性かがわかります。
    しかし、細胞診だけでは胃がんなのか乳がんなのかわかりません。どこからか転移してきたがんなのかもわかりません。
    そこで、がんの疑いがあるときは、針生検やマンモトームといった組織診を行います。
    組織診では、がんの確定診断だけではなく、がんが小葉からできた小葉がんか、乳管から生まれた乳管がんかがわかります。

    さらに、乳管や小葉の中にとどまっている非浸潤がんか、壁を突き破って周囲に浸潤した(しみ込んだ)浸潤がんかがわかります。
    非浸潤がんならばリンパ節転移や遠隔転移(肺や肝臓や骨の転移)を起こさないかわりに、乳管の中に広がっていることが多いので、全摘が必要になることがあります。

    浸潤がんならば、グレードといってがん組織の顔つきもわかりますし、リンパ管侵襲・脈管侵襲といって、がん組織のリンパ管や血管の中にがん細胞があるかどうかもわかります。ホルモン療法が効くか、ハーセプチンという分子標的薬が効くかも判明します。

    こうした情報は、薬物治療を術前・術後のどちらにするか、するなら抗がん剤かホルモン療法か分子標的薬かを決めるうえでなくてはならない情報です。
    たくさんの情報をかき集めて最も効果的な治療法を決定する。そのうえでも、組織診は不可欠なのです。組織診の結果が出たらコピーを必ずもらいましょう。

  • がんの診断方法には間接診断と直接診断がある

    間接診断とは、触診やX線、超音波で写った影を見て診断することをいいます。
    直接診断とは、実際にがんの疑いがあるしこりの細胞をとって検査をして診断することをいいます。

    間接診断の場合、名医になれば手でしこりにふれるだけでがんかどうか察しがつくのですが、実際に切り取ってみたら単なる脂肪の塊だったということもあります。そうすると、痛い思いをして手術を受け、大事な乳房に傷をつけてしまうことになります。
    直接診断をするためには細胞をとらなければならないし、手術はちょっと・・・という方。今では身体にメスを入れなくても、注射針で細胞を取る細胞診や、局所麻酔してもっと太い針で組織を取る針生検、レントゲンや超音波で見ながらさらに太い針で組織を吸い取るマンモトームなどの方法があります。

    DNA鑑定では犯人といわれたら言い訳ができないように、直接診断である病理診断で乳がんといわれたら、間違いなく乳がんです。

  • しこりの大きさだけで早期がん・進行がんの判断はできない

    早期がんという言葉を聞いたときの印象は、「治療が簡単そうで、命に別状はない」ということでしょう。また進行乳がんといわれたときは、「治療が困難で、もう手遅れ」と感じることでしょう。

    確かにこれまではがんが小さければ早期がん、大きければ進行がんと呼ばれてきました。
    しかし、非浸潤がんのように乳管の壁を突き破る力がないために、乳管の中を右往左往して、気づいた時には乳腺全体に広がっているものも早期です。
    また、どんなに大きくてもリンパ節に転移していないような「ゆっくりがん」もあります。
    その一方で、小さながんだったのに、手術してみたら脇の下のリンパ節がぐりぐりに腫れていて、手術後抗がん剤にもほとんど反応しない、たちの悪いがんということもあります。

    つまり、大きさだけで早期かどうかを決めるのは早計です。
    さらに治療法の進歩によって、これまで進行がんだったものが早期がんと呼ばれるようになるかもしれません。乳がんの中にはHER2というがん遺伝子を持っているタイプがあり、遠隔転移しやすくたちが悪いといわれていました。しかし、トラスツズマブ(ハーセプチン)という分子標的薬ができて、65%以上の確率で治るようになりました。今後も新しい薬の開発によって、進行がんも早期がんに変わるでしょう。

  • がんという名のついた前がん状態

    がんには欠かせない2つの性質があります。浸潤と転移です。
    浸潤とはしみ込むように周囲の組織に広がること、転移とはリンパ管や静脈の中にがん細胞が入って全身に広がることです。そうしたがんを浸潤がんといいます。

    しかし、がんと呼ばれているにもかかわらず浸潤も転移もしないものがあります。それが非浸潤がんです。
    乳がん以外の原因で亡くなった女性を解剖したところ、なんとその16%に非浸潤性乳がんが発見されました。
    つまり、健康そうな女性でもよく調べれば非浸潤がんが見つかる。調べないでおけば非浸潤がんは死ぬまで気づかれないことがあるということです。
    また、ほうっておいても浸潤がんにならない非浸潤がんもあるのです。

    その一方で、非浸潤がんを手術で取ると、浸潤がんが見つかることがあります。これは、非浸潤がんの一部が浸潤がん化したと考えられます。また、非浸潤がんを手術したあとの局所再発の半分は浸潤がんです。こうした事実から、非浸潤がんを放置すると浸潤がんになることがあるといえます。

    毎年検診をしていて浸潤がんが見つかった。あとからマンモグラフィを見直してみたら非浸潤がんが以前からあった、ということもあります。
    浸潤がんと診断されて手術をしないのはロシアンルーレットのような危険な賭けです。今きちんと取っておくことが標準治療です。

  • エビデンスに基づいた治療方針を立てよう

    エビデンスとは「科学的根拠」という意味です。がんでいえば生存率すなわち寿命や、局所再発率に違いがあるかどうかを科学的に調べられました。それによって得られた根拠がエビデンスです。エビデンスの信頼度は臨床試験の方法によっても異なります。その試験に参加する患者の数が多いほど、治療を受けるか受けないかくじ引きで決めたほうが、信頼度が高くなるのです。

    乳がんはがん細胞が局所にとどまっているようなら、手術や放射線といった局所治療だけで助かります。しかしがんが大きいときや、リンパ節が腫れているときは遠隔転移を起こしやすいので、抗がん剤やホルモン療法といった全身治療が必要です。

    • ● 乳がん手術は大きく取っても小さく取っても生存率は同じですが、大きく取れば局所再発率は低くなります。
    • ● リンパ節は取っても取らなくても生存率は同じですが、リンパ節転移の有無を調べることによって治療方針が決まります。
    • ● 放射戦照射は局所再発率を下げますが、進行がんでは生存率を少しだけ改善します。
    • ● 抗がん剤やホルモン療法は生存率を改善しますが、遠隔転移を起こす可能性が低ければ副作用が問題になります。

    そこでがんの大きさとリンパ節転移の有無によってエビデンスに基づいた治療方針を立ててみましょう。しこりが小さくてリンパ節転移がふれないものは局所病なので、しこりを小さくくりぬいて放射線をかける乳房温存療法が第一選択となります。

  • 術後の身体の負担を和らげる硬膜外麻酔

    そもそも、硬膜外麻酔とは背中から1mmぐらいの太さの管を入れて、胸の知覚神経である肋間神経をブロックする、いわば局所麻酔の一種です。心臓病や喘息肝臓、腎臓の病気があるときや、老人、全身衰弱の人、妊婦などの何らかの理由で腎臓や肝臓に負担をかけられず全身麻酔ができない方はこの硬膜外麻酔を使用されます。硬膜外麻酔は同時に安定剤も使うため、手術中はぐっすりと眠っており、術後は歩いて帰ることも可能です。

    全身麻酔の悪影響は術後も続きますので入院が必要です。
    しかし硬膜外麻酔の場合は、身体への負担も少ないので入院をしない日帰り手術も可能です。
    また、全身麻酔の鎮痛効果は手術終了と同時に切れますが、硬膜外麻酔は術後も局所麻酔薬を少しずつ流すことができるので、術後の痛みを取ってくれます。

    自身が手術をする際、体の負担を少しでも和らげるためにも膜外麻酔の有無を主治医に確認するとよいでしょう。

  • 麻酔が覚めたあとの流れ

    多くの人が乳がん治療を受けるときは「はじめてのこと」が連続して起きるので、事前にしっかり主治医から説明を受けていたとしても、とまどうことが多いと思います。

    そこで術後の不安を少しでも減らすために、手術直後の麻酔が覚めた状態を事前に知っておきましょう。

    表:手術直後の状態
    意識 手術後、数時間は全身麻酔の影響でもうろうとした感じがします。
    呼吸 全身麻酔ではのどにチューブを挿入するため、のどの痛みを感じることもあります。のどの入り口までしか管を入れない「ラリンジアルマスク」なら痛みは少ないでしょう。呼吸を補助するために酸素マスク(または鼻に酸素チューブ)が装着されています。
    指先には洗濯ばさみのようなものがついていて、血液中の酸素濃度を測っています。もし異常があれば看護師が飛んできてくれます。
    心電図 胸部にはってあるシールは、心電図を看護室(ナースステーション)から看視するためのものなので、決して外してはいけません。
    静脈留置図 腕には水分、栄養、薬剤を投与する目的で点滴用の管がついています。これは食事が摂れるようになるまでのいわば命綱です。
    食事が十分に摂れるようになった時点で抜去します。
    尿道カーテル 腎臓が正常に働いているか、点滴量が十分かを判断するために、膀脱には尿を体外に出す管が挿入されています。
    常に尿をしたいような不快感があると思いますが、尿量を測るために必要なので勝手に抜いてはいけません。
    傷はガーゼでおおわれており、ドレーン(滲出液を排出するためのチューブ)が脇の下と傷口に挿入されています。
    ナースコール ベッドにはナースコール(ブザー)がついています。痛いときや苦しいときは我慢せずに、ナースコールを押して看護師を呼びましょう。
    具合が悪いのを我慢すると、呼吸が浅くなり術後の合併症が増すとともに、体力を消耗し回復が遅れるからです。また、吐いたものがのどに詰まる危険性もあります。

    いつになったらわずらわしい機材や管がはずされるのかと不安に思われると思いますが、術後経過のガイドブックのような役割の「クリニカルパス(臨床行程表)」というものにのっとって療養がすすめられます。
    医師や看護師から説明を受けてから、自分の体調にあわせて進めていくので、途中で吐き気や気分不快が生じたときは、すぐにベッド上安静とし最初からやり直します。
    この回復プログラムは、1泊以上の入院のときは翌朝から、日帰り手術のときは術後数時間後から始めます。

    • ● 意識状態を調べ、麻酔から覚めていることを確認します。
    • ● 血圧や体温を測ります。
    • ● 採血をして貧血が生じていないことを確認します。
    • ● 創部[手術でできた創(きず)のこと]に血がたまっていないか確認します。
    • ● 電動ベッドの頭部を徐々に上げていきます.
    • ● 少しずつ飲水を開始します。
    • ● 尿道カテーテルを抜いてトイレ歩行をします。
      (歩いてみてから管を抜くこともあります)
    • ● 点滴の針や硬膜外麻酔の管を抜きます。
  • 術後の傷をいたわろう

    術後、傷がひきつれたり硬く盛り上がったりすると、あなたは「手術の失敗ではないか」「この症状は一生続くのかしら」「手が上がらなくのではないか」と不安になるでしょう。
    しかし、その傷あとはあなたを守るために丈夫で硬い「よろい」をつくってくれているのです。また、どんな傷も最初は赤く硬く盛り上がっていますが、1年もすると白く柔らかく平らになります。治ったと判断すると、傷あとの組織は撤収を始めるのです。

    なので、頑張ってくれているあなたの身体を責めたりせずに、やさしく語りかけてあげてください。
    「私のためにこんなに頑張ってくれてありがとうね。でも私はもう大丈夫、そんなに頑張らなくてもいいからね。」
    そうすると傷はみるみるきれいになって、痛みもなくなるのでしょう。

  • 術後の肩こりは「使わなさすぎ」によるもの

    術後、肩こりに悩まれる方がいます。こういった症状は「筋肉痛」は使いすぎ、「肩こり」は使わなさすぎによるものです。
    心臓から送り出された血液は筋肉のポンプ作用でまた心臓に戻りますが、現代人はほとんど力仕事をしないので血流が悪くなり肩こりが生じているのです。
    「筋緊張性頭痛」という頭痛も肩こりの一種です。こりに対して外からマッサージすれば一時的なポンプ作用になるでしょう。

    しかし、根本的な解決にはなっていません。治療法はズバリ1日4足歩行をすることです。
    そのため、窓拭きや家の中を雑巾がけすると、肩こりが解消されるどころか家もきれいになり一石二鳥だといえるでしょう。

    また、リハビリとは体操やマッサージのことではありません。実生活に復活することです。
    毎日の生活の中から、肩甲骨の周りの筋肉を使うことを心がけましょう。

  • 転移の有無がわかるセンチネルリンパ節

    リンパ節転移の有無を調べることは、術後の補助療法(抗がん剤やホルモン療法)を決めるうえで不可欠ですが、一部取っても全部取っても生存率は変わりません。そこで登場したのがセンチネルリンパ節生検です。

    センチネルとは「見張り番」という意味です。センチネルリンパ節はがんにいちばん近いところにあって、がん細胞が飛んでくると最初に転移します。
    その性質を利用して、がんの周辺に色素や放射性物質を注射し、最初に染まったリンパ節を1~2個取って確認します。

    センチネルリンパ節に転移がなければほかのリンパ節にはほとんど転移はありません。逆にセンチネルリンパ節に転移があったときはほかのリンパ節にも転移の可能性があるので、郭清(全部取る)を勧められます。

  • 非浸潤がんの腋窩リンパ節生検

    針生検で非浸潤がんだった場合、リンパ節に転移しないので郭清の必要はありません。

    しかし、針生検はがんのほんの一部を取っているにすぎないため、浸潤がんがひそんでいる可能性はあります。手術で取った乳腺を端から端まで顕微鏡で調べてみると、約2割の確率で1~2mmの小さな浸潤がんが見つかることがあります。これを微小浸澗がんといいます。

    浸潤がんが見つかればリンパ節転移している可能性もあるので、また手術のやり直し。しかも一度切ったあとだとセンチネルリンパ節生検はできないので、もっと大きくリンパ節を取らないといけません。

    そこで、非浸潤がんを取るときはセンチネルリンパ節生検をオススメします。取った乳腺にもリンパ節にも転移がないという表・裏試験で、非浸澗がんが確定するのです。

  • 腋窩リンパ節郭清が行われる2つの理由

    腋窩リンパ節郭清とは簡単にいうと「脇の下にあるリンパ節を全部取ること」で、行われる理由は病期(病気の進み具合)を知る、腋窩再発の予防の2つです。

    リンパ節郭清が行われる理由の1つ目が病期の診断、つまり病期の進み具合を知るためです。そもそも郭清とはリンパ節を全部取ることをいいます。

    術前診察で腋窩リンパ節転移があるといわれた患者さんの27%には実際には転移がなく、転移がないといわれた患者さんの39%に転移があったと報告されています。腋窩リンパ節転移の有無を正確に評価するためには、診察だけでは不十分で、手術で取ってみないとわからないのです。

    もう一つは腋窩再発の予防です。がんのしこり部分だけを取って腋窩リンパ節郭清を行わないときの腋窩再発率は、術後10年間で28%もありました。しこりの大きさが1㎝以下ではわずか1%でしたが、1~2㎝では26%、2㎝より大きいときは33%でした。

  • リンパ節はいくつ取れば安心できる?

    ここまでリンパ節郭清を行う上でのメリットをあげました。しかし、同時に後遺症があることも事実です。これからリンパ節郭清を行う上でのいくつかの後遺症についておさえていきましょう。

    表:リンパ郭清後に起こりうる後遺症
    リンパ漏れ
    (セローマ)
    切断されたリンパ管からリンパ液が漏れ、脇の下にたまる。そのため、入院中はそれを吸引するドレーンという菅が挿入される。しかし、ドレーンを抜いた後もリンパ液がたまり続け、注射器で抜くことがある。
    術後感染症 たまったリンパ液に感染症を引き起こす。(5~14%)
    神経障害 リンパ節は脇の下の知覚神経に絡まるように存在する。それを取るため、神経が傷つき、上腕の内側や肩甲骨のしびれ感が生じることがある。(80%)
    肩関節の運動障害 手が上がりにくくなる。(17%)
    リンパ浮腫 腋窩リンパ節を取る、腋窩に放射線をかけることにより、リンパ節の流れが関所止めになって、腕全体のむくみが一生続く。(11~27%)

    このように術前に脇の下のリンパ節が硬くふれていないときは最小限の切除にとどめたいものです。そのためセンチネルリンパ節生検が可能なときはそれが第一選択です。

    しかし、以下のような乳房の手術をしてあるときは、リンパの流れが変わっていたり、炎症によってリンパ節が腫れていたりするので、センチネルリンパ節生検できません。また術前抗がん剤のあとは手前のリンパ節転移のがんが消えて奥のほうに残っているかもしれません。

    • ● 外科生検後
    • ● 豊胸術後
    • ● 乳房温存術後の局所開発

    このような場合はリンパ節生検をします。リンパ節転移の有無を調べる質的診査のためなら、わずか3~5個のリンパ節を取れば十分です。しかしどの程度転移があるのかを知るために量的診断のためには、10個のリンパ節を切除したほうがより信頼できます。

  • がんは不摂生によって炎症が生じた粘膜に発生する修復細胞

    ミミズは1本の管のような生き物です。私たちの身体も同様に管からできています。「消化管」「気管」「血管」です。こうした管の内側は粘膜でできていて、常に外界からの刺激にさらされています。

    暴飲暴食をすれば消化管の、タバコを吸えば気管の粘膜が傷つきます。すると周囲の細胞が細胞分裂して傷口を修復します。そこで生活習慣を改めればいいのですが、人間は愚かなものです。元気になるとまた不摂生をする。
    そのまま不摂生を続けると、ついには細胞分裂の限界に達して細胞分裂が停止し、傷口がふさげなくなります。
    人間の身体はよくしたもので、細胞分裂が限界に達したとき、永遠に細胞分裂をする修復細胞が生まれます。それをがんといいます。
    つまり「がんとは不摂生によって炎症が生じた粘膜に発生する修復細胞」といえます。

    ではなぜ修復細胞であるはずのがんが命をおびやかすのでしょう。
    私たちの身体には毎日5,000個のがん細胞が生じています。それを知ってか知らずか、不摂生をすればがん細胞部分裂増殖をつづけ、そのうちに居場所が狭くなります。家が狭くなったらあなたも建て増しか引っ越しをするでしょう。がんが隣の臓器に建て増しするのが「浸潤」です。または離れた臓器に引っ越しするのが「転移」です。

  • 乳がん治療の歴史を知ろう

    乳がん手術で有名であったジョンズ・ホプキンス大学初代外科教授ハルステッド。
    当時、乳がんはしこりのくりぬきが行われていましたが、局所再発が多かったため、周囲の乳腺・脂肪・皮膚・筋肉でがんを包み込むようにひとまとめに取りました。これがハルステッドの手術です。この手術はその後100年間、定型的(一般的)乳房切除術として行われるようになったのです。

    しかし、この方法は術後、あばら骨が浮き出てしまうため多くの女性の体と心に大きな傷を残しました。また、のちに行われる大きな臨床試験で、胸の筋肉を残しても命には影響しないということが判明しました。そのため、今日では胸の筋肉を残す胸筋温存乳房全摘術が主流になりました。

    さらに、乳がんのしこりだけをくりぬく乳腺部分切除でも生存率が変わらないことも証明されて、100年以上かけて結局もとに戻ってしまいました。ただしこの手術の局所再発率は全摘術よりも高いので、術後放射線をかけるようになりました。これが乳房温存療法です。そして今では乳がん手術の第一選択となりました。

執筆者

南雲 吉則(なぐも よしのり)

南雲 吉則(なぐも よしのり)

医学博士、乳腺専門医。東京・名古屋・大阪・福岡にナグモクリニックを開業。
乳がん検診から乳がん治療、乳房再建、豊胸術まで「女性の大切なバストの美容と健康と機能をまもる」をテーマに活躍。がん死亡率を半減させる「命の食事」を提唱しテレビ・ラジオ番組、講演会、出版でも知られる。

乳がんのセルフチェック〜 習慣化して早期発見につなげよう 〜

乳がんはがんの中でも唯一
「セルフチェック」ができるがんです。
セルフチェックをすることで早期発見ができて、完治・寛解の可能性が広がります。

セルフチェックといってもさまざまな方法がありますが、今回はおうちでかんたんにできるセルフチェック方法をお伝えします!

かんたんセルフチェック法

生理が終わったあと4〜5日が適当です。
閉経後の方は、毎月日を決めて行うようにしましょう。覚えやすい日で大丈夫です。

  • STEP01 まずは鏡の前で乳房の形をチェック

    鏡の前で両腕の力を抜いて自然に下げた状態や、腕を上げた状態で、乳房の形や大きさに変化がないかどうかを確認します。

    形や変化とは、たとえば、乳首や皮膚にへこみやひきつれがあったり、ただれていたりするなどです。

    まずは鏡の前で乳房の形をチェック

  • STEP02 脇の下のリンパ節と乳頭をチェック

    指を揃えて伸ばしてもう片方の手でワキの下にしこりがないかチェックします。これも両腕行いましょう。

    乳頭は軽くつまんで、血液の混じった分泌液が出ないかどうかをチェックしましょう。

    脇の下のリンパ節と乳頭をチェック

  • STEP03 あおむけになってしこりのチェック

    指を揃えて伸ばしてもう片方の手でワキの下にしこりがないかチェックします。これも両腕行いましょう。

    乳頭は軽くつまんで、血液の混じった分泌液が出ないかどうかをチェックしましょう。

    あおむけになってしこりのチェック

    同じ姿勢で少し腕を下げたら、乳房の外側から内側に向かってチェックします。
    これを両腕行ってください。

    あおむけになってしこりのチェック

ここがポイント! 乳房にひきつれやへこみなどの変形はありませんか ただれはありませんか 乳首から出血や分泌液は出ていませんか しこりはありませんか

【南雲吉則先生が解説】 乳がんの気になるQ&A 乳がんの診断・乳がんの手術を受けた方へ

基礎知識

  • Q1. 乳がんになりやすい人はどんな人ですか
  • A. 肥満・糖尿病、お酒やタバコ、運動不足や夜更かしです。 乳がんの5%は遺伝します。血のつながりのある人に2人以上乳がん経験者がいる場合はその可能性があります。
  • Q2. 乳がんができやすい場所はありますか
  • A. 乳がんは乳腺があるところにはどの部位にもできます。左右で発生率の違いはありません。 乳腺は脇の下にも広がっています。背中やお腹にはできません。
  • Q3. 家族や親族に乳がん経験者がいると、乳がんの発症リスクは上がりますか
  • A. 乳がんには遺伝性があるため、血縁の近い人に乳がん体験者がいれば注意が必要です。 遺伝子検査で陽性の乳がんは全体の5%です。遺伝子検査が陰性でも体質や生活習慣が似ていれば危険性は増します。
  • Q4. 乳腺症や乳腺炎は乳がんの発症と関係がありますか
  • A. 乳腺症や乳腺炎が乳がんに変化することはありません。
  • Q5. 乳がんを発症したときの初期症状はどんなものがありますか
  • A. 乳房のしこりや痛みや引き連れ、ときには脇の下のリンパの腫れなどです。 しこりや痛みがあってもほとんどの場合がんではありません。しかし、しこりや痛みがなくてもがんの場合もありますので、まずは乳腺専門医におかかりください。
  • Q6. 男性でも乳がんになることはありますか
  • A. 男性にもわずかながら乳腺がありますので、乳がんになることがあります。 乳がん全体の1%は男性乳がんです。思春期に乳輪の下が硬くなることがありますが、がんではありません。また、常用薬の副作用や肝機能異常によって乳房が大きくなることがあり、女性化乳房と呼ばれます。
  • Q7. 乳がんにならないための予防方法はありますか
  • A. がんは生活習慣病ですので生活習慣の改善、食事と運動の改善で罹患率や再発率や生存率が改善します。 自己流の間違ったダイエット法やサプリメントの服用は効果がないばかりか、逆効果のこともあります。医師や管理栄養士と相談しながら行ってください。
  • Q8. ピルを服用していると乳がんの発症リスクは上がりますか
  • A. 乳がんのリスクのある人は服用しないでください。 経口避妊薬には女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが含まれています。また、経口避妊薬は血液を固める作用がありますので、心臓病、脳疾患、糖尿病、肝臓・腎臓病の方や、喫煙者は服用できません。
  • Q9. 更年期障害の治療でホルモン補充療法をしていますが、乳がんの発症リスクは上がりますか
  • A. 通常、エストロゲンとプロゲステロンの合剤が用いられますが、乳がんのリスクは上がります。 ただし、婦人科の手術で子宮と卵巣を取った場合の更年期障害に対して行われるホルモン補充療法はエストロゲン単独なので、乳がんリスクは上がりません。
  • Q10. 乳がんの良性と悪性の違いはなんですか
  • A. がんはすべて悪性です。良性といわれたときはがんではありません。 しかし、がんの中にも悪性度の違いがあります。予後因子といい、組織の顔つきが悪い、リンパ節転移がある、がんが大きい、ホルモン療法が効かない、増殖のスピードが早いなどは危険なのです。
  • Q11. 石灰化とはなんですか
  • A. 私たちの体はタンパク質でできています。古くなったタンパク質は体内で化石になります。それが石灰化です 石灰化のほとんどはがんではありません。しかし、がんが疑われるときはマンモトームという針で組織を採る検査が行われます。

検査・検診について

  • Q1. 乳がん検診は何歳から受け始めた方がいいですか
  • A. 乳がんの好発年齢は40代、50代なので、35歳から検診を受けましょう。 家族や親戚に乳がんがいる人、しこりや乳房の張りを感じる人はもっと早くから検診を受けてください。
  • Q2. 乳がん検診はどれくらいの頻度で受けるべきですか
  • A. 専門医によるマンモグラフィー超音波検診を受けていれば年に1回で十分です 異常なしといわれても、見つけにくいがんや、見逃しもありますので、必ず定期的に検診を受けてください。主治医から次回検診の日付を告げられたら必ず守ってください。
  • Q3. しこりはどのような感触ですか
  • A. 良性は表面がツルツルして良く動きます。悪性(がん)はでこぼこして硬いといわれます。 しこりを触れたとき、良性か悪性か自己判断するのは危険です。あわてずに乳腺専門医におかかりください。
  • Q4. しこりなどの違和感があったとき、すぐに検査を受けるべきですか
  • A. しこりのほとんどはがんではありませんが、まずは乳腺専門医におかかりください。 しこりがあると心配ですよね。乳腺専門医ががんではないという場合は、次の定期健診までは安心できます。
  • Q5. しこりのない乳がんはありますか
  • A. 非浸潤がんはしこりを作らないことがあります。 通常の浸潤がんは周囲の組織に染み込むように発育してしこりを作ります。非浸潤がんは乳管の中を広がってゆくので、はじめのうちはしこりを感じません。
  • Q6. シリコンを入れる豊胸手術を受けた場合、マンモグラフィ検査は可能ですか
  • A. 専門知識があれば全く問題はありません。 マンモグラフィーによる圧迫でシリコンが破損することを懸念して検診を断られることがあります。豊胸後の検診を行っている施設を検索してください。
  • Q7. 脇の下のしこりはどのように検査をしますか
  • A. 触診、超音波、マンモグラフィー、CTで検査します。 がんのリンパ節転移の疑いがあるときは、細い針で細胞を採る細胞診が行われます。
  • Q8. マンモグラフィと超音波検査の違いはなんですか
  • A. マンモグラフィーは放射線の透過性の違いによってがんが白くうつります。超音波検査は音波の反射性の違いによってがんが黒くうつります。 皮下脂肪が少なく乳腺が張っている場合(デンスブレスト)、マンモグラフィーでは全体が白くなってがんが見つけにくいことがあります。大きなバストの場合、超音波ではがんを見逃すことがあります。小さな石灰化を見つけるにはマンモグラフィーが必要です。
  • Q9. 乳がんかもしれないと思ったら、何科を受診するべきですか
  • A. まずネットで検索して乳腺専門医を受診してください。 または総合病院に電話して乳腺外科があるか、マンモグラフィーがあるか確認してください。
  • Q10. 検査の結果、良性といわれましたが、悪性になることはありますか
  • A. 良性の腫瘍が悪性になることはありません。 ただし、針生検のような組織学的診断が行われていないときは、確定診断ではありませんので、定期健診が必要です。
  • Q11. 乳がんの検査で被ばくしないか心配なのですが、体に影響はありませんか
  • A. 乳がんの診断には触診とマンモグラフィー、超音波検診、MRIが行われます。放射線被曝があるのはマンモグラフィーです。 マンモグラフィーの被曝は極微量ですので健康被害はありません。妊娠中の方は検査前に申し出てください。
  • Q12. セルフチェックを横になってする場合に、背中にタオルなどを入れるのはなぜですか
  • A. 自己検診をするときは手を上げたり背中にタオルを入れて皮膚を大きく引き延ばして行います。 乳腺自体が硬く触れる人の場合、皮膚を引き延ばすとしこりの所在がわかりやすくなります。

監修

南雲吉則(なぐも よしのり)

医学博士、乳腺専門医。
東京・名古屋・大阪・福岡にナグモクリニックを開業。
乳がん検診から乳がん治療、乳房再建、豊胸術まで「女性の大切なバストの美容と健康と機能をまもる」をテーマに活躍。
がん死亡率を半減させる「命の食事」を提唱しテレビ・ラジオ番組、講演会、出版でも知られる。

私の乳がん体験~がんがわかった経緯と告知まで~

乳がん体験者でありお金の専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)の黒田 尚子さん。乳がんと告知されたときの心境や治療方針の決定、お金のことなどを、女性として母としての立場から解説していただきました。企画協力:FPラウンジ

インタビューの模様

Part1
当時の自分にアドバイスができるならどんなアドバイスをしますか

Part2
治療が終わるまでかかった費用

Part3
治療費以外にかかったお金

コラム「私の乳がん体験~がんがわかった経緯と告知まで~」

選択すると内容をお読みいただけます。

  • 頭が真っ白になった乳がん宣告

    私が乳がん告知を受けたのは、2009年12月上旬のこと。
    きっかけは、その年の8月に受けた自治体の乳がん検診でした。
    40歳になったばかりの私は、生まれてはじめてマンモグラフィー検査を受け、1ヵ月後、「要精検」と記載されたハガキを受け取ったのです。

    「え?何か異常があったの?」
    不安な気持ちを抱える私に、3歳年上の夫は、
    「精密検査の案内が届くことは珍しくないよ。たぶん大丈夫だろうけど、ちゃんと検査しておけば」
    と声をかけてくれました。

    その後、専門のレディースクリニックの予約を取り、精密検査を受けたのですが、診察のたびに、医師から告げられるのは「もう少し検査してみましょう」
    の言葉ばかり。
    結局、1か月くらいの間にさまざまな検査を受け、最初の検診から約3か月後、乳がんと診断されたのです。

    がん告知を受けたクリニックでの診断は、ステージⅡB期。
    リンパ節に転移している可能性があるので、
    「すぐに抗がん剤治療を始めましょう」
    と担当医に言われました。
    しかも、がんの大きさは5㎝になっており、乳房は全摘しなければなりません。

    がんと診断され、胸までなくなってしまう。
    昨日まで想像もしていなかった事実を突きつけられ、頭の中は文字通り真っ白になりました。
    そんな私に追い打ちをかけるように、担当医は
    「必要な治療をすべて受けても、あと、5年生きられるかどうか生存率は50%です」
    と言うではありませんか。

  • 告知を受けてから一番大変だったのは、「治療方針を決めるまで」

    がんは、よく自覚症状がないといいますが、私も同じ。体調不良や痛みなど一切ありませんでした。喫煙習慣はなく、お酒は好きですが、妊娠して以来、母乳育児ということもあり、控えていたのです。
    とにかくワンオペ育児中ですから、太る余裕などなく、仕事はセーブして、早寝早起き、食事に気を遣いなどなど。元々、健康体で、風邪なども滅多に引かない。そんな私が、まさか、乳がんなんて…。信じられない気持ちでいっぱいでした。

    その当時、娘は5歳。告知を受けたとき、真っ先に頭に受かんだのは、娘のことばかり。
    「こんな小さな子どもを残して、あと5年で死ぬわけにはいかない」
    心底、そう思いました。
    それから、セカンドオピニオンを受け、東京のがん専門病院に転院。入院、治療を受けるために引っ越しをしました。

    一番大変だったのは、告知を受けてから、どこの病院でどのような治療を受けるか。そして、治療中の仕事や子どもの世話をどうするかを決めるまで。
    「とにかく、早く治療をしなければ全身にがんが転移してしまう!」
    がんが急に大きくなるわけでもないのに、そんな恐怖心に駆られます。とにかく時間がない。でも、何から手をつければ良いのか…パニックに陥りそうになりました。

    そのときの経験をふまえて、告知直後の患者さんには告知を受けたら、

    • ① がん(病気)について
    • ② 仕事・お金について
    • ③ 家族や職場など人間関係について

    の3つに分けて整理してみましょう、とアドバイスしています。
    とくに、告知直後は、①が最優先事項になることがほとんどだと思います。患者さんやそのご家族にとって、治療方針を決めるまでが大変であり、逆に、これさえしっかり決めてしまえば、あとは医療者を信頼して、治療に専念していくしかありません。

    表 「がん告知」後に考えるべきこと
    がんについて どの病院(医師)を選ぶか(セカンドオピニオン、転居の有無)
    どのような治療・検査を行うか
    病気を含め、心配事について相談できる人・先はあるか
    仕事・お金について 仕事を続けるか(休職・退職、引き継ぎなど)
    治療費をどう捻出するか(収入、預貯金、民間保険、借り入れなど)
    自分の加入している保険(がん保険など)の保障内容はどうか
    家族や職場など、人間関係等について 誰にどのように(どこまで)カミングアウトするか
    「がん」のことを、家族や子供にどう説明するか
    入院・治療中の家事、育児、介護をどうするか
  • がんは「情報戦」 いかに正しい情報にたどりつくかが問題であり重要

    とりわけ、乳がんは、ほかのがんに比べて治療の選択肢が多いように感じます。
    たとえば、乳房を温存または全摘するか、全摘する場合は乳房再建するか否か、さらに、再建する場合は乳がん摘出と同時に行うか、治療後に行うかなど。
    「選択肢が多い」ということは、それを判断するための情報が必要です。

    乳がんに限らず、がんは「情報戦」とも言われます。知らないことが予後やQOL(生活の質)を大きく左右することも考えられます。
    ところが、告知を受けた直後は、がんに関する知識がない人がほとんど。
    情報をどこから入手するか、入手した情報が、本当にエビデンス(科学的根拠)のある正しい情報なのか、自分のがんに適しているのかどうかなど、正誤が見極められません。

    今や、インターネットで手軽にさまざまな情報を入手できますが、その内容は玉石混交。
    告知直後の最初の入り口で、誤った情報への道を辿ってしまうと、その後、なかなか正しい道に戻れないケースも出てきます。
    がん治療においては、情報リテラシー(情報活用力)をいかに駆使するかが重要であり、問題だと痛感しました。

    情報リテラシーのポイントは、「情報の見極め方」と「情報との向き合い方」の2つです。
    情報の見極め方は、正確な情報にどのようにアクセスするか。基本的には、国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」や医学会が作成した診療ガイドラインなど、信頼性が高い公的な情報源から検索することをオススメします。

    一方、情報との向き合い方は、正解などありません。
    たとえば、「Aという治療法を選択すれば、生存率は5年%アップする」という情報があった場合、それを選ぶかどうかは、患者さん次第です。

    さまざまな要素を考慮しながら、一人ひとりが自分の状況に照らし合わせて選び取っていかねばなりません。
    しかし、患者さんやご家族にとって、この判断が難しく、悩ましいものなのです。

  • 最近のがん治療は「長期化」「高額化」がより顕著に

    がん治療は、「手術療法」「放射線療法」「薬物療法(抗がん剤療法、ホルモン療法、分子標的治療など)」の3つが大きな柱。がん経験者のほとんどが、この三大治療のいずれかを受けています。

    加えて、第四の治療として、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」で有名になった「免疫療法」も広がりを見せています。
    乳がんも同じく、これらを単独あるいは複数で行い、患者さんに最適な治療法を選択していくわけです。
    これを「集学的治療」といい、治療を組み合わせることで、効果的な治療を行うのが目的です。

    ただし、治療が増えると副作用も大きくなるため、がんの性質や病期(ステージ)、全身の状態、年齢、合併するほかの病気の有無のほか、患者さんの希望を考慮しながら行います。

    私が乳がん告知を受け、10年以上が経過しました。この間、がん治療は驚くほど様変わりしています。
    患者の立場から見ると、とくに顕著に感じるのは、治療が「長期化」「高額化」してきた点です。

    長期化とは、がんの生存率が向上し、ちょっと乱暴な言い方をすれば「死ななくなった」ことによって、治療期間が長くなっていることです。
    一般的に、術後の定期検査の目安は5年です。ただし、乳がんは、ゆっくり増殖する性質があるため、経過観察期間は10年間となっています。
    また、再発予防のホルモン治療は、長らく5年間とされてきましたが、日本乳癌学会ガイドラインが2015年度版から改定され、リスクに応じて、10年間治療を受けることをすすめられる患者さんも出てきています。要するに、5年から10年の長きにわたって経過観察や治療のために通院が必要になる可能性があるということです。

    そして、高額化とは、医療の進歩によって、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬、がんゲノム医療など、新しい治療法が開発されているものの、いずれも高額であること。
    とりわけ、がん細胞の遺伝子を調べ、それにもとづいて最適な薬剤を選択する「がんゲノム医療」の進歩は目覚ましいものがあります。

  • 家計から考える女性の乳がん

    続いて、乳がんが家計に与える影響を考えてみましょう。
    乳がんは、よく「女性特有のがん」と表記されていますが、実は、男性にも発生するがんです。乳がん全体の1%を占めるといわれています。
    とはいえ、患者さんのほとんどが女性ですので、ここでは、女性の乳がんを前提とします。

    結婚や子供の有無などに関わらず、支出について、共通して負担が増えるのは「医療費用」です。
    また、抗がん剤治療などの副作用で体調が悪く、料理できない場合は外食や総菜などを利用する機会が増えたり、罹患後に食材に気を遣うようになったりして、「食費」が増える患者さんも少なくありません。
    さらに、通院のための「交通費」や入院の際に用意したパジャマや下着、タオルなどの「日用雑貨」、抗がん剤の副作用で脱毛したため「医療用ウイッグ」、罹患後は、肥満が再発のリスク要因となりますので、スポーツジムやヨガなどの費用など、何かと出費はかさみます。

    一方、収入については、正社員の場合、有給休暇や病気休暇、時短勤務といった社内制度や、健康保険の「傷病手当金」を利用することで、減少しないよう工夫もできますが、非正規雇用の場合、難しいのが現状です。
    がん罹患によって、経常的に収入が減少した場合、病気治療中だけではなく、その後の生活にも影響を与えかねません。

    これらを踏まえて、ライフステージ別の影響を見てみましょう。

    シングル女性の場合 身の回りの世話や、収入減少をカバーしてくれる家族がいるかどうかが問題。また、入院時には、連帯保証人が必要な病院がほとんど。保証人になってくれる人がいなければ、不要な病院を探す、入院保証金を支払うなどが必要。
    専業主婦ファミリーの場合 収入の減少はないものの、家事・育児・介護などを一手に担っている場合、入院や治療中にこれらを代行してくれる家族等がいなければ、家事代行サービスやヘルパーなどアウトソーシング(外注)するための費用が別途かかる。
    共働きファミリーの場合 専業主婦ファミリーの状況に加え、家計に占める収入に応じて影響は大。妻の収入は、住宅ローン返済や子どもの教育費に充当している家庭が多く、治療が長引けば「返済が苦しくなった」「子どもの塾や習い事を辞めた」というケースも。
  • 乳がんへの経済的備えはどうすべき?

    乳がんに罹患して、「支出増」「収入減」という経済的リスクが起こるのであれば、それにどのように備えておけば良いのでしょうか?

    まず、備えるベースは、「公的保障」です。
    健康保険の高額療養費制度や傷病手当金、雇用保険の基本手当、年金保険の障害年金、確定申告の医療費控除など、乳がんになった場合、加入している制度などで、どのような給付が受けられるが確認しておきます。
    さらに、会社員の方で、勤務先が健康保険組合の場合、さらに手厚い保障が受けられる「付加給付」があるかどうかも要チェックです。

    その上で、不足する分を「貯蓄」や「民間保険」でカバーします。
    ここでの注意点は、「貯蓄」or「民間保険」といった二者択一で考えないこと。
    もちろん、持病などがあって保険に加入できない方や、医療費として使える貯蓄が300万円以上ある方などは別です。
    多くの現役世代の場合、個々の状況に応じて、「貯蓄」and「民間保険」の両輪で上手にかしこく備えておきたいところです。
    貯蓄の額は、生活費の半年分~1年程度を目安に、民間保険は、医療保険やがん保険、就労不能保険、三大疾病保障保険などを検討してみてください。

  • がんに対する保険の選び方の最大のポイントは「今のがん医療に対応しているか」

    医療保険やがん保険の中には、乳がんや子宮がんに罹患した場合、通常よりも給付金を上乗せされる女性向けの商品もあります。女性特有のがんに備えたいという方に向いています。

    がんに対する保険選びについては、「今のがん医療に対応しているか」が最大のポイント。
    がんといえども入院期間は短期化の傾向にあります。厚生労働省の「平成29年患者調査」によると、悪性新生物の平均在院日数は、17.1日です。また、ほとんどの治療が入院から外来へとシフトしています。

    さらに、保険を検討する時期も要注意です。
    一般的に、がんは高齢になれば罹患率が上昇しますが、「まだ若いから大丈夫」と安易に考えないこと。
    女性のがん年齢(がんに罹患しやすくなる年齢)は、男性よりも早く、30代、40代の女性のがん患者は男性を大きく上回っています。
    また、AYA世代(15歳から39歳までの思春期・若年成人)のがん患者も一定数存在しており、とくに25歳を過ぎると、急激に増加します。その理由として、女性の場合、子宮頸がんと乳がんが増えていることがあげられます。

    表:小児AYAがんの年齢階級別罹患率(0-39歳)[男女計 2009-2011年]

  • がんになったときの備えはもちろん、ならないための予防もしっかり行うことが大切

    私は現在、FP、乳がんサバイバー、乳がん体験者コーディネーターの3つの立場から、患者さんやそのご家族からの就労やお金、ライフプランに関する相談を受けています。
    とくに乳がん患者さんの場合、罹患しやすい年齢が30代後半から40代にかけてと、子どもの教育費、住宅ローン、親の介護費用など、さまざまな資金ニーズが重なりやすい時期。そのため、治療と仕事の両立や医療費以外の費用負担のお悩みが少なくありません。

    また、夫や子どもの保障を優先させて、十分な保険に入っていなかった。ホルモン治療など治療期間が長くなるため、医療費はなんとかまかなえるが、QOL(生活の質)を維持するための費用がかかる。フルタイムで働けないので今よりも老後が心配といった声もよく聞かれます。

    乳がんはがんの中でも一番罹患者数が多いがんです。
    がん告知を受けた人は、私のように誰でも「まさか自分が」と言います。がんになる人が増え続けていると知っていても、自分だけは関係ないと思ってしまうものなのです。
    けれども、決して他人事ではありません。
    ただ、早期に発見し、適切な治療を受けられれば、死亡リスクや再発リスクは低減されます。

    •  がんに対して過剰に反応するのではなく、いざという時に備えて、自分や家族が使えるヒト・カネ・モノなどの資源を把握しておく。
    •  エビデンスのある正しい情報を知っておく。
    •  その上で、定期的に自己触診を行って自分の胸の状態を把握する。
    •  きちんと、がん検診などを受け、がんにかかりにくい生活を心がける。

    など、自分のカラダと向き合い、予防にも注力することがとても重要です。

解説者

黒田 尚子(くろだ なおこ)

黒田 尚子(くろだ なおこ)
FPオフィス代表

1998年FPとして独立。CFP®、1級FP技能士、乳がん体験者コーディネーター、消費生活専門相談員資格。2009年末に乳がんに告知を受け、自らの体験からがんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーターを務める。NPO法人がんと暮らしを考える会のお金と仕事の相談事業の相談員、NPO法人キャンサーネットジャパンのアドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー。
著書に「がんとお金の本」(BKC)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「病気にかかるお金がわかる本」(共著)(主婦の友社)、「三大疾病ライフプランハンドブック(仮)」(金融財政事情研究会(2020年4月上梓予定))など多数。

データで見る乳がん~がん経験者アンケート~

乳がんの年齢ごとの罹患率などの基本的な情報はもちろん、メットライフ生命が独自におこなった「がん経験者アンケート」の情報をまとめました。
治療と仕事の両立はできるのか、金銭的な負担はどうやって捻出したのかなど、がんになる前となった後の生活の違いなど必見です。

患者数

2017年全国がん罹患者数 上位6位(女性のみ)

出典:厚生労働省「平成29(2017)年 患者調査」よりニッセンライフ作成

女性のガン罹患者数でもっとも多いのが「乳房」です。30代から40代にかけて患者数が増え、50代〜70代まで高い水準となっているのが特徴です。乳ガンは罹患者数が多いものの生存率が高いがんでもあるので、早期発見・早期治療を行うことで治る可能性が高いガンなのです。

もしガンと診断されたら

初めて診断確定された時の治療期間

※ 調査対象者は「がん罹患者またはがん罹患経験者」
※ 初発時のみ。
出典: メットライフ生命調べ「特定疾病に関するインターネット調査(2018年12月)、n=940」

平均3.6年ではあるものの、33.8%が5年以上の治療期間が必要になっています。
がんは治療期間が終わっても、再発などの可能性があることから定期的に検査を受けることが多い病気です。

一般的に治癒の目安は5年間と言われていますが、乳がんの場合は10年間続けることもあります。

乳がんにかかる費用の平均

初発治療期間における年間治療費

※ 初発時のみ。
※ 調査対象者は「がん罹患者またはがん罹患経験者」
※ 当アンケートにおける医療費は、病院に対して支払った費用(自己負担)の総額をお聞きしたものです。医療費の回答に際して、高額療養費制度の適用の有無は、アンケート回答者に確認しておりません。治療に要した費用について、高額療養費制度を利用できる場合があります。
出典: メットライフ生命調べ「特定疾病に関するインターネット調査(2018年12月)、n=940」

治療費は平均52.9万円については高額療養費制度を利用することができるため、実際の自己負担額を軽減させることができます。詳細は「高額療養費とは」をご覧ください。

がん治療は長期間になることもあるので、病院に行くまでの交通費や遠方の場合の宿泊費、健康維持のためのサプリメントなどの服用でお金がかかることがあります。

また、抗ガン剤の副作用で髪の毛が抜けることがあるので、ウィッグや帽子を利用する場合は購入する費用もかかります。

患者、経験者アンケート

乳がん罹患前にやっておけば良かったと思うことは?

※ 複数回答可。
※ 調査対象者は「がん罹患者またはがん罹患経験者」
出典: メットライフ生命調べ「特定疾病に関するインターネット調査(2018年12月)、n=940」

がん患者またはがん罹患経験者の方にアンケートをした結果、もっとも多かったのが「定期的に健康診断を受けておく(がん検診なども含む)」でした。第3位の「生活習慣の見直し」も健康診断と同様に、健康に気をつかう傾向が出ています。

2位と5位は、貯金やがん保険の加入で、治療費に備えるためのお金の準備が必要だったという意見でした。

今からでも間に合う!
「ガン保険・医療保険のススメ」