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脇汗・汗による黄ばみ・臭いの落とし方!
原因・対策・予防法についても解説
洋服を着ようと取り出してみたら洋服の襟や袖、脇の下部分が黄色くなっていた、毎日着ているうちにだんだん臭いもするようになってきた、という経験がある人も多いのではないでしょうか。夏になると下着が汗を吸収し、汗の匂いがしっかり落ちるのか不安…なんてことも。
洋服が汗によって黄ばむ・臭う原因とその対策や予防法をご紹介します。
目次
公開日 : 2022.1.31
更新日 : 2022.1.31
衣類の黄ばみや臭いの原因の多くは、全身の毛穴と一緒にある皮脂腺から分泌される皮脂汚れが空気に触れて酸化するため発生します。汗も皮脂と同じく、黄ばみや臭いの原因にもなります。詳しく見ていきましょう。
私たちは、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の分泌線から汗を出しています。
エクリン腺は毛穴とは別にほぼ全身に存在していて、運動や緊張、辛いモノを食べたときなどに体温調整のために出る汗です。ほとんどが水分のため、汗をかいた直後に臭いはありません。
しかし、衣類についた汗は時間が経つにつれて臭いや黄ばみの原因になっていきます。毎回洗濯してきれいにしていても、落としきれていない汚れが繊維の表面や奥に蓄積されてくると、だんだんと黄ばみが目立つようになってきます。
また、もうひとつのアポクリン腺は、脇の下や耳、乳輪など限られた場所に毛穴と一緒に存在しています。大きさや数の個人差が大きく、体温調整というよりはフェロモンを分泌するような役割を果たしています。特に脇の下に一番多く集まっていて、アポクリン腺から出た汗の成分を皮膚上の常在菌が分解する過程で、特有の臭いになるといわれています。
また、アポクリン腺から分泌されるリポフスチンという成分が衣類に付着すると黄ばみの原因になり、リポフスチンの分泌量が多いほど黄ばみが濃く表れます。
【医師に聞いた】汗の匂いの秘密とあせも(汗疹)・汗かぶれ対策>>
下着によく使われる木綿(コットン)などの天然繊維は、汗の水分吸収がよい反面、乾きにくい素材です。そのため、皮脂汚れや汗を長時間繊維にとどめておくと、黄ばみや臭いが残りやすくなります。
また、私たちが普段よく着る洋服や下着、速乾性が求められるスポーツ系の衣料に多くに使われている、石油から作られる合成繊維のポリエステル素材。こちらは乾きが早い反面、臭いが拡散しやすい素材です。
汗染みや黄ばみ、汗の臭いを落とすには漂白剤を使います。軽い汚れであれば、色柄ものにも使える液体タイプの酸素系漂白剤を入れて、普段と同じ要領で洗濯すれば汗染みや臭いが落ちることも多いです。
部分的に汗染みや黄ばみが強く、漂白剤を入れて洗濯しただけでは落とせない場合は、スプレーやジェルタイプの酸素系漂白剤を使いましょう。汚れがひどい部分に直接塗布したり、少し時間をおいたりしてから洗濯します。衣類や素材が傷んでしまう場合もあるので、必ず漂白剤に記載のある使用方法と衣類についている洗濯表示タグを確認してから使うようにしてください。
毎日気を付けて洗濯していても残ってしまった汗ジミや匂い、また久しぶり出してきた衣類に残ってしまっていた古い汗染みを落とす、洗濯方法について具体的に見ていきましょう。
過炭酸ナトリウムが主成分の粉末タイプの酸素系漂白剤を使い、汗染みがついた衣類を40~50度程度のお湯につけ置きしてから洗濯しましょう。
同じ酸素系漂白剤でも液体(酸性)と粉末(弱アルカリ性)では水に溶かしたときに液性が異なります。ウールやシルクなどの素材には、粉末タイプの酸素系漂白剤は使えないので注意が必要です。使う前には必ず漂白剤に記載のある使用方法と、衣類の洗濯表示タグを確認しましょう。頑固な古い汗染みや、自宅でのケアが難しい素材・アイテムの場合は、クリーニング店のしみ抜きサービスを利用することも検討しましょう。
使うたびに洗っているのに、なぜか着用すると臭いが気になるブラジャーやインナーってありませんか?そんなブラジャーやポリエステル素材のインナーの臭いの対処法について解説していきます。
ブラジャーや速乾生地としてよく使用されているポリエステル素材のインナー。洗濯した後は臭わないけれど、着用中や汗をかいたときに嫌な臭いが戻ってくる…といった経験はありませんか?
この臭いの原因は、落としきれていない汚れが繊維の表面や奥に残っているためです。
基本的にポリエステル素材についた臭いも「汗染みや黄ばみ、臭いを落とす洗濯方法」の項目で紹介した酸素系漂白剤を使って洗います。
粉末タイプの酸素系漂白剤を使い、40~50度程度のお湯につけ置きしてから洗濯すると、臭いもかなり改善されるでしょう。粉末タイプの酸素系漂白剤は、ブラジャーやインナーに金属が使われているなど、素材によっては使えない場合があるので、ケイ酸塩配合の固形石鹸で気になる部分を手洗いしてから洗濯してみるのも一案です。石鹸カスが残っていると黄ばみの原因になるので、しっかりすすいでよく乾かしましょう。
一般的に、衣類を煮沸して臭いを消す方法もありますが、ポリエステル素材を煮沸するとシワになったり素材が変質してしまったりするため注意が必要です。
洗濯をしても臭いや汚れ落ちが気になるときは、洗濯の仕方を見直してみましょう。
いつも洗濯機に対して、どのくらいの量の衣類を入れて洗濯していますか?
洗濯機に洗濯物を詰めすぎていると、十分な水量で衣類を洗ったりすすいだりすることができず、汗や皮脂汚れをしっかり落とすことができない場合もあります。また、洗剤が十分に溶けていないと汚れが落ちない原因になったり、黄ばみにつながったりすることもあるため、洗剤の投入方法や、洗剤の形状も見直してみましょう。
他にも、洗濯が終わったらすぐに干すことも大切です。洋服が生乾きのままだと雑菌が繁殖しやすい状態です。しっかり風にあててよく乾かすようにしましょう。
洗濯機の洗濯槽が汚れている場合も、衣類の汚れをきちんと落とせない原因となりえます。洗濯が終わったらフタを閉めておく、汚れた衣類を洗濯するまで洗濯槽に入れておく行為も、洗濯槽の乾燥を妨げカビや雑菌が繁殖しやすい環境を作る一因となるため、できれば避けたいところです。洗濯槽の環境によっては、衣類の汚れや臭いを落とせない原因となります。洗濯機および洗濯槽は、定期的にメンテナンスしましょう。
完ぺきに予防できるとはいえませんが、少しでも汗の黄ばみや臭いが染みつくのを普段から防ぐ方法を見ていきましょう。
汗で汚れた衣類を一晩放置してしまい、翌朝なんだかイヤな臭いがした経験がある方も多いのではないでしょうか。
汗で汚れた衣類は、放置した時間が長いほど雑菌などが繁殖して臭いが強くなってしまいます。できるだけ早めに洗濯するようにしましょう。どうしてもすぐに洗濯ができない場合は、汗でぬれた洋服を広げて乾かし、雑菌が繁殖するのを防ぐようにしましょう。
普段の洗濯から液体タイプの酸素系漂白剤をプラスして洗濯するようにすれば、黄ばみや臭いの原因になる汚れを繊維中にためにくくしてくれます。漂白のほかに、除菌・消臭効果がある酸素系漂白剤を選ぶとさらに効果的です。繰り返し使うことで抗菌性を発揮して、衣類を清潔に保ってくれるタイプの酸素系漂白剤もあります。
脇汗をかきやすい方は、洋服に直接脇汗がつきにくいように、脇汗対策をするのも一案です。脇汗インナーや脇汗パッド付きの洋服を着用したり、汗拭きシートを活用したりしてみましょう。また、白い色の洋服は、汚れがたまってくると黄ばみが目立ちやすくなります。目立ちにくい服色を選ぶもしくは、雑菌が繁殖しにくい速乾性のある洋服や抗菌・防臭加工を施された洋服を選ぶことも検討してみましょう。
衣類についてしまった汗による黄ばみ・臭いは、酸素系漂白剤を上手に使うことで落とせる場合があります。また、毎回すぐに洗濯しても臭いが気になる場合は、洗濯方法の見直しや洗濯槽のメンテナンスを行いましょう。
イヤな臭いがない、気持ちの良い衣類で毎日をお過ごしください。
##監修者プロフィール
有賀照枝
整理収納コンサルタント・ハウスクリーニング技能士 株式会社ハート・コード代表取締役。“部屋磨きは自分磨き・職場磨きはスタッフ磨き”をモットーに家事代行・整理収納関連事業で2007年独立。自身の体験から環境を整えると色々なことが整ってくることを痛感し、個人や企業にコンサルティングやセミナーなど様々な形でその大切さをお伝えしている。